おらほ放送局

地域の記憶by前川ゼミ

(更新日: 2014/01/28)

HOME 地域の記憶by前川ゼミ > 塩尻小「蚕の学習」記録レポート

塩尻小「蚕の学習」実践評価~子どもが夢中になれる学び方~



上田市立塩尻小学校4年1組「蚕の学習」実践評価
~子どもが夢中になれる学び方~
話し手:手塚真亀雄さん(上田市立塩尻小学校4年1組担任)
聞き手:前川道博(長野大学)
2009/12/09 塩尻小学校で

話の内容の採録テキストです

語り手:手塚真亀雄さん(上田市立塩尻小学校教諭)
聞き手:前川道博(長野大学企業情報学部准教授)
2009/12/09、塩尻小学校にて


まとめるのに今までだと記録用紙にどんな様子だったかを書く。絵を描く。そういうのしかなかった。ところがこれは膨大な時間がかかるんですね。

蚕の学習だったら、毎日そんなの書いていたら他の勉強ができないぐらい時間がかかるんですね。

なので記録を取るにしても、今までだとそれができなかったので、とびとびでやって最後に模造紙にまとめるぐらいがせいぜいだったんですね。模造紙にまとめるのも、2時間を3日か4日かけてまとめていく。ホントにまとめるだけでも、膨大な時間がかかる。まとめるだけで子どもたちは疲れ果てちゃう。こんなたいへんならやりたくない、と。それだけじゃない。蚕だったら桑も切らなきゃいけない。掃除もしなきゃいけない。その上記録も取る。ホントにやりきれない。

それがカメラ、ビデオを使うことで、書かなきゃいけない、メモをとらなきゃいけない、そちらにエネルギー使うんじゃなくて。それはカメラがやってくれるんで、(蚕の)成長をじっくり見れる。見たことをちゃんとかなり正確に写真に残してくれる。その時の動いた様子、自分のその時の気持ちとか、表情とかを後からふり返ってまざまざと思い出せるように記録が取れてる。お蚕さんを飼うこと、世話をすること、記録を取ること、それが楽しくてしようがない。これは今までと全然違う。

後になってみると、「あの時はああだったよね」「あの時は小さかったけど、日にちを数えると3日でこんなに大きくなっている」。この前、久しぶりに子どもと一緒に動画を見たり、写真を見たり、長野大学で発表するんで見たんですね。「ああ、あの時ああだったよね」と子どもたちが言うんですよね。「あの時、○○ちゃん、手にもってた」とか、「(蚕を)鼻に乗せてた」とか、「あの時は(繭を)切ったら中から出てきて気持ち悪かったよね」とか、いろいろ言いながら見るんですよね。特に卵がいっぱいあるところなんて、どういう悲鳴かわからないけど、「わーっ」とかね、言ってるんですよね。

あれはホントに自分たちで「あんなことやってきたよな」とまざまざとふり返っている様子ですよね。そういうことができる、というのは、この視聴覚機器、写真とデジカメのすばらしさです。

------ 昨年はそういう手段を使っていたわけではないですね。

ないです。写真を何枚も。それも私が撮っていました。そう、私が撮るとわざとらしいんですよ。「写真撮るからこっち見て~」とかやるしかないんですね。

子どもたちがやると自然の面白さというか、生の表情、声がふんだんに出てくる。もう絶対にかなわないですね。子どもどうしで撮りあってるんだもん。絶対にそうなりますよ。「ああ、今の失敗しちゃった、もう一回やろう」とかね。あんなに子どもが生き生きと楽しそうに記録取るのは見たことがなかったですね。

あれ(観察記録を書くこと)、苦痛なんです。ホントは。うまく書かなきゃいけない。間違えたら消しゴムで消して。絵も上手に描かなきゃいけない。「ああ、うまく描けないや」なんてね。上手に描ける子はいいけども、「いいやこれくらいで」という子の方が多い中、そういうことが苦にならない。本当にいいメディアだと思います。

------ 子どもたちに対する効果というのは自発性が高まるという評価ができるものなんでしょうか。

ええ。自発性が高まる…。硬い言葉で言うとそうなんですけどね。今までいやいややっていた、必要だからやらざるを得なかったのが、喜んで、自主的に楽しんでできる。これは学習効果とすれば雲泥の差だと思います。両極端の差だと思います。

それをネットに流すと、ホントは授業参観で見に来なきゃ見れない保護者や他の人たちが自由に見られる。それは今までになかったことですね。

------ するとこれは他の学校、先生もやったらよいというオススメになりますね。

そうですね。

------ 他の学校では踏み出せますか。それが面白いとか効果があるとかいうことがわかれば、おそらく「これがいい」とわかりますね。

他の学校の先生がやるんだったら、何を使ってどうやったか。
(デジカメを手にして)このカメラ、市教委から支給されていると思います。うちの学校にあるんだから。これが各学校10台ぐらいは(あると思います)。うちの学校に10台来ていますので。だからやろうと思えばできます。

標準で付いている(メモリカード)のが512メガ(バイト)。ムービー撮るにはちょっと小さいので、2ギガ、2,000円もしないかな、(メモリカードを手にして)これだと、30分ぐらいは撮れると思うので。これを買ってもらえば、そんなに高いものじゃないので、消耗品で事務で買ってもらえばかなり活用できますね。これはやってみないとわからないかもしれない。だまされたと思ってやってみたらね。

------ やらない方がもったいないぐらいのものですね。

そうそう、そうです。それとね、記録に撮っても、記録したらどこかで発表しないとまとめる気にならないんですね。なので記録に撮ったらどこかで発表できるような機会を自分から求めていくか、何かしないと。やはり記録が膨大になっていくので、そこから選んで一つの、まとめようという時に、自主的に、この活動のまとめをする時には、これとこれを使ってこうコンパクトにまとめておこう、という。出来る人はいいんだけど、忙しいと何かきっかけがないとまとめない。できれば「こんなのやりました」というのを長野大学の援助を得ながらコンパクトにまとめたら、どっかのホームページへポンと載せて、お互いがお互いを見れるような。蚕だけじゃなくて、総合学習でどこかの民話を取材しました。子どもたちがお話をしてこんなのをやりました。どっかのサイトの中に、○○ではこんなにやってる、○○ではこんな民話づくりをやったとか、○○ではため池のことを調べて子どもたちがこんなにまとめましたとか、できるといいですね。

結構やっている先生はやっているんで。

はじめにもどる   ひとつもどる       つぎへすすむ